ITAZURA STORE

2010年代後半から、EDM、R&B、hiphopベースの、すなわちバンドサウンド以外の楽曲が国内外のチャートを占めるようになった。そんな中現れた、バンドサウンドでありながら様々なジャンル、演奏方法を用いて先進的な「シティポップ」を再現するバンドがITAZURA STOREだ。80〜90年代に流行したこのジャンルは、ファッション性や映像美なども含めて最近またフォーカスされだしている。ITAZURA STOREはただ前時代文化の模倣をするのではなく、楽曲の構成から演出のさせ方まで最新鋭の要素を含んだ「プログレッシブ・シティポップ」を標榜する。2020年の最前線を走り、今後その緻密な音楽性のみならずファッション性や活動の革新性で文化を牽引するであろう彼女らにインタビューさせていただきました。

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ELICITYインタビューお受けいただき、ありがとうございます。早速ですが、メンバー皆様の自己紹介をお願いいたします。

AKANITA:
ボーカルのAKANITA(アカニータ)です。たまにフルートやシンセサイザーを操ることもあります。メンバーにはニータと呼ばれてます。

YURINSHI:
キーボードのYURINSHI(ユーリンシ)です。メンバーからは最近ユーリンやリンシと呼ばれています。

ZEN:
ドラムのZENです。大阪出身、元気いっぱいパワフル系ドラマーです!

ITAZURA STORE結成の経緯を教えてください。また、バンド名の由来はなんでしょうか。

AKANITA:
もともと私がソロ活動をしていて、サポートメンバーとしてYURINSHI、ZENと知り合い、そのとき楽曲に向き合う熱量を感じたので、この人たちとバンドやったら面白そうだなと思い「バンドにならない?」と誘い、今に至ります。

ITAZURA STORE - AKANITA
vo. AKANITA

メンバー皆様の音楽的なバックグラウンドを教えてください。歌、楽器を始めたきっかけはなんでしょうか。

AKANITA:
子供の頃から最新のJ-POPをチェックするのが好きで、耳コピしてピアノで弾いたり、歌ったりしていました。テレビの中で歌ってるアーティストを見たときに、感情溢れる表情やステージングをする方が多く、自分でもそんな風に表現者になってみたいなと思ったのが歌を始めたきっかけです。

YURINSHI:
姉の習いごとについていく流れで5歳からピアノを始めました。William Gillockの練習曲が好きで、小学生の頃には自分でも作曲をするようになりました。またアニメソングを耳コピしてピアノで弾いていました。

ZEN:
14歳でロックにはまり、自分でもライブがしたい!と思い立ち、地元の楽器教室へ通い始めました。はじめはビジュアル系のコピーバンド。その後高校生になり地元の友達とポップスバンドを始めました。

メンバーの皆様はITAZURA STOREを結成するまで、どのような活動をされていたのでしょうか。

AKANITA:
結成するまではソロ活動をしていて、全国ツアーをしたり、クラウドファンディングでCD制作をしたり。その活動の中でサポートミュージシャンを通じて現メンバーと知り合いました。

YURINSHI:
音大で音楽制作をしていました。卒業後はロック、ジャズ、ソウル、ファンク等のセッションをするようになり、そうした活動の中で、ドラムのZENとも出会いました。

ZEN:
大阪に住んでいた時は音楽系専門学校に通っていましたが、上京したいという思いが強くなり、中退をして東京にやってきました。東京に住んでからはジャズやファンクなどブラックミュージックにハマり、ジャズ箱で演奏したり、毎晩のようにセッションイベントに遊びに行っていました。

ITAZURA STORE - YURINSHI
Key. YURINSHI

楽曲のみならず、ロゴ、アーティスト写真、MVなどシティポップ的な世界観で一貫しているように思います。こちらについて解説をお願いいたします。どのような想いがあるのでしょうか。

ZEN:
キャッチーなボーカルメロディと、ポップな曲調の中にジャズやクラシックを基調としたコード感、ブラックミュージックをルーツにしたドラムのサウンドと、AKANITAの綴る歌詞の世界観を混ぜ合わせたら、夜に聞きたくなるシティポップサウンドに辿り着りつきました。曲の世界観をより深く伝えるべく、今月メインビジュアルやロゴを一新しました。

先述の通り、夜に聴きたくなるシティポップ的なサウンドにボーカルAKANITAさんのハスキーでアンニュイな歌が魅力的なITAZURA STOREですが、楽曲制作はどのように行われているのでしょうか?プロセスを教えてください。

YURINSHI:
曲ごとに作り方が異なりますが、主にAKANITAと私が、例えばサビの一部分だけ、というようなタネを投げます。そこからスタジオで音を出したり、DAWで打ち込んだりしながら3人でアイディアを出し合い、曲にしていくことが多いです。メロディはAKANITA、コードは私、リズムはZENがアイディアを出すことが多いですが、他のパートについても意見を言い合いながら曲の輪郭を少しずつ描いていくという感じです。

情景が見えるかのような歌詞に、時々、間に挟まるポエトリーリーディングがより一層楽曲のドラマティックさを演出しています。なにか既存の物語などを元にする場合もあるのでしょうか。

AKANITA:
既存の物語は特に無いのですが、実体験を元に、普段幻想的に感じる場面や言葉をリリックに落とし込んでいくことが多いです。あまりリアルに書きすぎてしまうと、種明かしをしてしまうようでITAZURAの曲調やスタイルとマッチしないので、ドラマが見え隠れしそうな抽象的な言葉の組み合わせで作り上げています。

ITAZURA STORE - ZEN
Dr. ZEN

YouTube限定配信曲となる『NO,DISC』のMVを拝見しました。早口で乗る歌、絶妙に不安定なコード進行、テクニカルでタイトなリズムなど、ITAZURA STOREの中でもよりユニークな楽曲と感じました。こちらについての作品紹介をお願いいたします。

ITAZURA STORE 「NO,DISC」

AKANITA:
この楽曲は、喪失感、悲しみ、切なさがテーマに生み出された曲で、綺麗なピアノフレーズから迫りくる孤独を軽やかに表現したAメロから作り始めました。Bメロとサビは最初に作ったメロディフレーズがストレートすぎたので、何度かYURINSHIにコードを相談しつつメロディを付け直したり、歌詞の言葉数を増やしたりして、ドラムリズムと共に疾走感を出したりしたのを覚えてます。メンバーと作ると思わぬ方向に展開するので、それもいい刺激になります。

YURINSHI:
スタジオで「不安定で破壊的なサウンドにしたい」という意見が出たので、ハーモニー的な部分でいえば、キャッチーなサビ以外はあえてアボイドノートをぶつけながらも、各旋律が美しく流れていくコード進行を意識して組み立てました。

ZEN:
ユーリンのピアノとの絡みを特に意識して、ピアノが綺麗に聞かせてる所は一歩引いてより綺麗に聴こえるように、エネルギッシュに行きたい時はドラムの仕事だと思うので引っ張ってくイメージで、お互いの表現しきれない部分を補い合うように、ドラムフレーズをつけました。

2019年に初のEP「ITAZURA STORE」をリリースされています。収録曲のいくつかをYouTubeチャンネルで公開中で、いずれもITAZURA STOREが目指す世界観、音楽性がしっかり伝わる「意志のつまった作品」だと感じました。セルフタイトルを冠するCDですが、こちらの作品紹介をお願いいたします。

ITAZURA STORE 「ITAZURA STORE」

ZEN:
当時はバンドを始めたてで、曲もあまり出来上がってない状態で日程だけ決めていました。ITAZURA STOREは作曲とアレンジをみんなで仕上げていくスタイルで、とりあえず思いついたもの何でも作ってみよう!という感じで4曲制作したので、レコーディングをしながら細かいアレンジを詰めていったのが印象的です。去年1年間はEP制作時から常に「ITAZURA STOREらしさとは何か」をメンバーとミーティングを重ね、探しつづけていました。最近の曲とはまた違った雰囲気の曲も収録されていますが、ITAZURA STOREらしさの源流にこのEPがあると思います。YouTubeで限定配信している最近の曲達とこのEP、両方聴いてみて、変わったところ・変わっていないところをぜひ聴き比べてみてください。

ITAZURA STORE レコーディング

2020年8月29日に新曲の配信限定リリースが決定しています。昨年活動時から著しい成長ぶりで、今作も期待は高まるばかりですが、どのような作品になるのでしょうか?

ITAZURA STORE 「初回」
新曲「初回」ジャケット

AKANITA:
ナイトミュージックフレーズが多く使われていて、キャッチーなメロディの左右にクールな音色で、力強いLowが心地よいサウンドとなりました。模索しつつも辿り着いたITAZURA STOREらしさが詰まった作品です。

YURINSHI:
よりビートメークなサウンドを意識した作品になりました。甘酸っぱくもほろ苦い世界観の歌詞にも注目してください。

ZEN:
リズム的な観点だと、ゴスペルやEDM系のフレーズを散りばめていて、自分の趣味が炸裂しています。テンポはめちゃくちゃスローなんですが決してバラードではなく、とてもエネルギーのこもった作品だと思います。

同日にスタジオ配信ライブもされるようですが、ITAZURA STOREらしい企みはあるのでしょうか。こっそり教えてください。

ZEN:
企んでる訳では無いですが、通常のライブハウスでのライブと違ってリラックスした雰囲気で配信しているので、ITAZURA STOREのスタジオに遊びに来た!という気持ちになれます。

youtubeライブ配信を何度かされています。昨今の情勢(執筆時点2020年8月)にも、ITAZURA STOREが持つ魅力的にもマッチする表現方法かと思いますが、ネットでのトークやライブについてどのように考えられていますか?

AKANITA:
配信でのトークは、普段のかっちりしたライブでは見せないフリートークスタイルを用いたり、リスナーさんと近い距離で、配信ならではの感じを味わってもらいたいなと思ってます。配信ライブについては、SNS上で私たちを知って生ライブを見たことない方々が配信を見てくれたり、コロナ禍前にやっていたツアー先で出会った遠方の方々から「見たよ!」という声が届いたりすると、配信してよかったと思います。

ZEN:
生でライブを観てもらった方がかっこいいとは思いますが、都内のライブになかなか来れない地方の方や、ライブハウスに行ったことはないんだけど気になる…といった方には逆に音楽を届けやすいので、ITAZURA STOREを知ってもらえる良い機会だと思っています。画面越しで実際の距離は遠いけれど、配信中にコメントを読んで反応したり、ゆるくメンバー同士喋ってる姿を観てもらって、少しでも身近に感じてもらえると嬉しいです。

メンバーのみなさんが意識しているアーティストを教えてください。

AKANITA:
歌詞の言葉選びはスピッツの草野マサムネさんの影響がかなりあって、昔から好きすぎて、歌詞の情景が夢の中のように飛んでしまうタイムトリップ感は、草野さんの影響があります。楽曲の作り方に関しては、川谷絵音さんの音楽を意識することがあります。メロディがキャッチーな上に、綺麗で斬新なコード転調やリズム使いに中毒性があって、素晴らしいなぁと思って聴かせていただいてます。

YURINSHI:
ジャズ、ソウル、AOR、クラブミュージックの影響を受けているアーティストをよく聞きます。多様な音楽性をポップでクールでグルーヴィーなサウンドに消化させているTom Mischや土岐麻子さんをリスペクトしています。縦横どの角度から見ても美しい音の運びに、多くの刺激を受けています。

ZEN:
BREIMEN、King Gnuなど曲の中でブラックミュージックを感じさせているバンドはかっこいいと思っています。両バンドともドラマーがめちゃくちゃ上手くて、リズムの取り方も現代のファンク・ゴスペルを研究しているんだなと感じる部分があり、共感&尊敬しています。

ITAZURA STORE ライブ

メンバーのみなさんのオフの日の過ごし方を教えてください。

AKANITA:
オフ前夜に適度にお酒を飲み、目覚ましを設定せずに自然に起きたあと、散歩など体を動かして、その足でカフェで読書をしたりします。最近は帰ってきたあとNetflixでインド映画とか見たりします。時間があったら、海でぼーっとするのがオススメです!リセットする時間は大事ですよ。

YURINSHI:
とにかく寝て、起きたらドラマや映画を見たり漫画を読んだり、温泉や美術館に行ったり…レコードBarに行くことも多いですね。大抵は冒頭の「とにかく寝る」で終わります(笑)

ZEN:
近所のカフェに行って、ケータイをダラダラいじってるのが好きです。家でいじってるより、贅沢な時間を過ごしてる気になるのでオススメです!

ITAZURA STORE ライブ

最後に、読者の方へ一言お願いいたします。

AKANITA:
結成して約1年のITAZURA STOREですが、音楽的化学反応を武器にどんどん面白い作品生み出していきたいと思ってます!8/29の新作をお楽しみに!!

YURINSHI:
これまでのITAZURAを見てくれてる人も、はじめましての方も、ITAZURA STOREのバンドストーリーをともに楽しんでいただけたら嬉しいです!

ZEN:
8/29リリース「初回」渾身の作品に仕上がっています。ぜひ聞いて下さい!

Official Home Page
https://itazurastore.jimdofree.com/

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