ELICITYインタビューお受けいただき、ありがとうございます。初めに自己紹介をお願いします。
橋本ひろみです。「綺麗で切ないピアノロック」をテーマに活動しています。よろしくお願いします。
音楽を始めたきっかけや本格的にボカロP活動を始めることになったタイミングなど今までの音楽経歴について教えてください。
音楽を始めたきっかけは高校のときに吹奏楽部に入ったことですね。それまであまり音楽に興味がなかったのですが、そこから興味を持ち始めて、実家に母親が弾いてたピアノがあったのでやってみたくなり、ピアノも同時期に始めました。吹奏楽も楽しかったですが、一人でピアノを弾くのが楽しくてよく弾いてましたね。ピアノ教室にも通って、先生に教えてもらっていました。
高校を卒業して、大学に入ってからはキーボードを買って友達とバンドを組んだりしてました。バンドメンバーと遊びでジャムセッションしながら曲を作ったりとかはしてたんですが、今みたいに作曲らしい作曲はしてなくて、DTMもしてなかったです。
DTMを始めたのはそれからちょっと後で、最初のころはバンドのデモ音源をDTMで作ったりしていましたね。
ただ、バンドもずるずる続けてはいたもののメンバー皆んな忙しくなり、あまり活動できなくなってしまって…。
そこで「一人で何かできることないかな」と思ってボカロに手を出してみて、今に至ります。
ボカロでも他のジャンルでも自身の音楽性に影響を与えたものについてお伺いできればと思います、音楽やそれ以外のコンテンツでも構いません。
音楽は沢山ありますね…。列挙すると、
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・amazarashi
・ヨルシカ
・school food punishment
・the cabs
・jizue
・fox capture plan
・mouse on the keys
・n-bunaさん
・Neruさん
・Frederic Chopin
・Sergei Rachmaninoff
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あたりでしょうか。この中だと、影響されている部分ではamazarashiとヨルシカが割合大きいかなと思います。僕がやりたい音楽と音楽性が近いこともあって、この方たちの曲はどの曲も好きですね。特にamazarashiは活動初期からずっと好きで、昔は「空っぽの空に潰される」(https://youtu.be/xkWr-kECEKg)とかよく聴いてました。サウンドだけじゃなくて綺麗事だけで語らないような詩の世界観も好きで、音楽だけじゃなくてそういうところでも結構影響を受けてると思います。
ボカロだとNeruさんや、ヨルシカ繋がりなのもあってn-bunaさんが特に好きです。「アイラ」(https://youtu.be/ihgrM14jrFY)とか、アルバム曲ですけど「ヒグレギ」とかよく聴いてましたね。
音楽以外だと最近は気軽に外出ができなくなってしまいましたが、昔はよく美術館に絵を見に行ってました。クロード・モネやファン・ゴッホ、ヴィルヘルム・ハマスホイとか好きで、特にハマスホイの室内画は大好きです。
バンドやユニット、シンガーソングライターなど自分の音楽を発信していく手法としては様々なものがありますがボカロPとして活動していくことを選んだのはなぜでしょうか?
やはり「1人で活動できるから」でしょうかね。組んでたバンドはメンバー同士で集まりづらくなってあんまり活動しなくなってしまったので、一人でできることで何かしたかったんです。歌もそこまで得意じゃないし、バンドもボーカルをやってたわけじゃなくて作曲兼キーボード担当でした。だからシンガーソングライターとかやる感じでもないし、参加してたバンドは男性ボーカルだったので「可愛いボカロを使って女性ボーカルの自分の曲を作ってみたい!」と思って始めました。
「モザイク」や「藍に溺れる」などピアノをベースとしたバンドサウンドの曲が多い印象ですが、普段はどのように楽曲制作に取組んでいるのか、そのプロセスについてお聞きできればと思います。
ギターも少し弾けますが、一番弾けるのはピアノなので作曲する時は大体ピアノから作ることが多いです。ピアノを遊びで弾いてるとメロディやコード進行ができるので、良い物ができたらそこにドラムでリズム、シンセでボーカルメロを打ち込んでいきます。そこからAメロ、Bメロ、サビみたいな感じで進めていって、1コーラス分できたらそこにベースを入れたり、ギターを入れたり、シンセを入れたり、装飾音を入れたり…。色々付け足してとりあえず1コーラス聴けるクオリティになったらそこから続きを作っていきます。
曲がフルで出来たら詩を書きます。よく作曲する上で詩が先か、曲が先か聞かれる事があるんですが、僕は大体曲が先ですね。
たまにAメロだけとか、部分的に詩から作ったりもしますが、メロディを大切にしたいのでメロから作ることが多いです。
大体最後にタイトルはつけるんですけど、ここに関してはまちまちで曲を作っている途中で決めている時もあったりします。
「夏が枯れても」とか「藍に溺れる」なんかは結構初期の段階でタイトルを決めてましたね。
ボカロというジャンルに限らず自分の活動において意識しているアーティストなどはいますか?
影響されている部分と重なりますが、やっぱりamazarashiとヨルシカでしょうか。やりたい音楽と音楽性が近いので、歌詞とか編曲とか結構意識していると思います。意識しすぎると作風も似すぎてしまうので最近はほどほどにしていますが…笑
橋本ひろみさんの代表作とも言える「藍に溺れる」についてお聞きしたいと思います。
①イントロのドラマチックなピアノフレーズで心を掴まれ、終始スピーディーで透明感のあるバンドサウンドが最高にカッコいい楽曲ですね!切なさ、儚さを感じさせる歌詞も曲をより一層素敵なものにしています。この曲のこの部分を聞いてほしい!という必聴ポイントがあればお願いします。
ありがとうございます!そうですね…ちょっと寂しげなCメロから転調して、たたみかけるような大サビは聴いてみてほしいなと思います。
転調のギミックとか、転調後のブレイクとか、各パートのフレージングとか、僕なりにこだわって調整したので。あとこの曲は本当に良いピアノが弾けたなと思っているので、是非ピアノに注目して聴いてみてください。
②MVのコンセプトや表現したかった世界観についてお伺いできればと思います。
世界観についてですが、心が空っぽになった時に見上げた空の青さとか、
喪失感に苛まれているときに聞かされる愛だとか夢の言葉に対しての感情とかみたいなものを表現したくて、そこからブレないように意識しました。
映像については、「藍に溺れる」というタイトルが視覚にも反映されるよう意識しましたね。僕は絵がバリバリに描けるわけでもないので、イラストに関しては栞音さん(@shion_08_ )という方にご協力を頂いたのですが、途方もなく広がる空の青と、それを見上げる主人公の後ろ姿の対比がとても奇麗で、音楽の世界観と奇麗にマッチしたなと思っています。
近年ボカロPや歌い手の数もどんどん増えてきています。リアルでのLIVEや活動というのもアーティストとして一つの選択肢ですが、ネットカルチャーの中で、ボカロPとして表現することの楽しさについてお伺いできればと思います。
リアル世界だけで活動するよりも沢山の人に音楽を届けられることと、コンテンツの力を借りて発信できることは大きな魅力だし、楽しいところかなと思います。僕の努力不足な部分が結構大きいと思うんですけど、バンドで活動していた時は自分の音楽を届けられる人って今よりは少なくて、ライブなんかでも純粋に僕たちの音楽を聴きに来てくれるお客さんて本当に少なかったんです。
その時と比べると今は本当に沢山の人が作品を聴いてくださっていて、しかも反応をくれるので、そこが嬉しいし何より楽しいところですね。
あと、頂いた質問の回答としては趣旨が違うかもしれませんが、同じボカロでも調声する人によって全然印象が違う声になるのは面白いなって思います。
がなっていて荒々しい声だったり、ちょっと気弱そうな震えた声だったり、あえてそのまま機械っぽい声だったり…。ボカロPの数だけボーカロイドに個性が生まれて、それを観たり聴いたりして楽しめるのはボカロ文化ならではの楽しさだと思いますね。
MVやジャケットや楽曲を拝見していると「爽やかさ」や「切なさ」「透明感」というようなワードが浮かんできます。活動をする中で、セルフブランディングはどのようなことを意識されていますか?
ピアノが弾けるのは自分でも強みだと思っているので、そこは武器にしていきたいなと思っています。あと最近はピアノを使ったバンド編成でも、所謂オシャレっぽい作風に舵を取る方が多い印象なので、「爽やかさ」や「切なさ」、「透明感」とかリスナーの皆さんが感じ取って頂いているところを武器にして他と差別化を図っていきたいなと考えてますね。なんで自分がそこへ舵を切るのかと聞かれたら、単純に好きだからだと思います。あんまり深く考えてないですね…笑
少し音楽以外の面で橋本ひろみさんという人物像に迫ってみたいのですが、マイブームやなにか他にされている活動などがあれば教えてください。
活動らしい活動は音楽以外してないのですが、最近部屋に花を飾るのがマイブームです。基本インドア趣味の人間なので家にいることが多いのですが、花を飾ると部屋に季節感も出るので良いですね。部屋やオフィスに植物を飾ると生産性が上がる(?)みたいなことを最近聞いたので、沢山良い曲が作れることにも期待してみます…!笑
たくさんの楽曲の中から選ぶのは大変かと思いますが、初めての方に聞いてほしいイチオシのご自身の曲を教えてください。
うーん、やっぱり「藍に溺れる」がおすすめですかね。笑昨年初めくらいにスランプに陥ってしまって、半年くらい自分でも「良いな」と思える曲が作れなかった時期がありました。スランプ中に色々試行錯誤して、大量のボツ曲を量産してようやくできたのがこの曲なので、ぜひ聴いてみてください。ピアノも今までの曲で一番美しく、カッコよく仕上がっていると思います。ちなみに春の終わりくらいに一曲上げる予定なんですが、その曲もとても奇麗で良い曲なのでイチオシです。(宣伝)
今後の活動について橋本ひろみさんとして実現したい目標があれば教えてください。
とりあえずアルバムをもう一つ作りたいかなと思っています。あとサブスク配信なんかも橋本ひろみとしてはやったことがないので、そのうちやってみたいですね。
ありがとうございました。最後に読者の方へのメッセージをお願いします!
最後まで読んでくださってありがとうございました。これからも頑張っていきますので、よろしくお願いします。
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