メンバー皆様の自己紹介をお願いします。
ボーカル Nana Yokota、
ギター Adel Hashiura、
ベース Junichi Kanou、
ドラム Kazuma Aoyagiです。
バンド結成の経緯を教えてください。
Dr. kazuma:
2016年にギターのAdelがカオティックハードコアをやりたいと言い出して、2017年に元々知り合いだった冬蟲夏草のベース、髙嶌くんと3人で結成しました。結果としてカオティックハードコアはやっていませんが(笑)。
Adelとは以前にも一緒にバンドを組んでいたこともあり、10年来の友人です。
最初はボーカルが見つからずインストで、2017年の秋頃には髙嶌くんが脱退。その後ベースはサポートで活動を続け、2018年の5月ごろに最初のボーカルが加入。
2019年の9月に脱退し、現在のボーカル、NanaとベースのJunichiが加入して現在に至ります。
メンバーの方それぞれの音楽的なバックグラウンドはなんですか?
Dr. kazuma:
日本のポストロックやオルタナが好きです。最近だと羊文学が特に好きですが、ずっと昔から好きなのはdownyです。基本的には内面にくる音楽を好みます。ハードコアはライブハウスではよく見ますが、自分の核とまでは言えないと思います。
Gt. Adel:
Nu metalと日本のヒップホップですね。MSCなど。基本的に暗く重低音が鳴っていて、内面を歌っているアーティストが好きな傾向があります。
Ba. Junichi:
グランジとファンクです。バンドだとMr.Childrenです。
Vo. Nana:
DIR EN GREY。ブラックメタルは色々な声を使うのに参考にしています。バンドでいうと、Cradle Of Filth、Whitechapel。あとMarilyn Mansonも好きです。
同シーンのバンドの中で、差別化できている強みはなんですか?
Gt. Adel:
kokeshiの音楽性をキーワード的に言えば暗い、重い、怖いなんですが、ひたすらに激しい演奏をするバンドが多いシーンの中で、kokeshiの音には激しさと静けさの両方が内包されていると思います。静から動へ移行する瞬間のアプローチは一つひとつ拘っているので、そこは他のバンドと差別化できているのではないかと思います。
童謡など、日本の音楽にはドロドロとした雰囲気があると思いますが、kokeshiも不気味な音楽性がそのまま武器になっているなと感じています。
ボーカルのNanaは普段ふわふわしていますが、ライブパフォーマンスは気迫があり、深い詞を書くので、kokeshiの世界観を鮮やかに引き立てていますね。
音源を聴く際には歌詞も気にしてもらいたいと思います。
楽曲制作で重視していることはなんですか?
Gt. Adel:
普段から「僕らにしかできない」ものを作ろうと意識しています。日本で生まれ育った僕らの感性や土着の文化をそのまま滲み出させていきたいですが、楽曲を制作する上で欧米の音楽の影響は確実に出る。
しかし、それらが入り混じったときの違和感や気持ち悪さがkokeshiらしさかなとも思うので、そういった感性を大切にして作っていますね。
一歩間違えると説得力のない胡散臭い世界観になるのでバランスが難しいですが……。迷ったときは他のメンバーの客観的な意見に耳を傾けます。
楽曲制作のプロセスを教えてください。
Gt. Adel:
最初にギターでリフやフレーズなどを作って曲の雰囲気を想像し、簡単なリズムの打ち込みを合わせていきます。ある程度自分の中で形になったら、ドラムのKazumaとスタジオでワンコーラスくらい作り、バンドメンバー全員で細かいところを詰めていくという感じです。
ボーカルは一番最後で、歌詞はNanaに任せています。
行き詰まった時に突拍子もなくドラムに合わせて弾いたフレーズが次の展開になることも多いので、家で1人で作るよりスタジオワークの方が緊張感もあり好きですね。
バンドとして、現在の音楽性に行きつくまでの過程を教えてください。
Dr. kazuma:
西荻窪のFLATというライブハウスがホームなんですが、ハードコアやポストハードコアのバンドが出ているのをずっと見てきて、自分たちもいつか同シーンのバンドができたらと思っていました。
最初はインストでそういう曲を作ったりしていて、ボーカル加入後はボーカルの感性に寄り添う楽曲を作るようになりました。インスト時代は割とポストハードコア寄りの曲でしたが、ボーカル加入後はメタルっぽくなったと思います。
競合として意識しているアーティストを教えてください。
Dr. kazuma:
競合やライバルだと思っているバンドは特にいないのですが、演奏力やサウンドの面でよく話題に上がる先輩バンドはいます。個人的に、日本のPALMは本当にすごいバンドだと思います。
最新作についての解説をお願いいたします。
Gt. Adel:
詳細はまだ明らかにされていませんが、最新作は海外のバンドとのコンピレーションアルバムのお話をいただいて作った曲です。
今までのkokeshiにはない雰囲気ですが、元来自分が得意とする曲調なので作りやすかったです。
アルペジオも反復フレーズですが、美しいけど怖さも感じるものをイメージしていて、そこに乗るポエトリー(語り)とコーラスを大事にしたり、今までやっていなかったアプローチを詰め込んだらなかなか壮大な曲になりました。
Vo. Nana:
最新曲「彼は誰の慈雨の中で。」の歌詞は、自分が今思うことを実体験に基づいて書いています。ポジティブなイメージ。みんなにより良く生きてほしいという思いを込めました。
バンドとして、今後の活動の方向性を教えてください。
Dr. kazuma:
「メジャーデビューしてやる!」というようなビジョンを掲げているわけではないのですが、活動範囲を都内から関東、関西へと少しずつ広げていきたいと思っています。いろんなバンドと関わりたいし、いろんな土地に足を運びたいです。全国で活動しているバンドさんから、是非ライブのオファーをいただきたいです。
サウンドや曲作りに関しては、今後どうなっていくかは正直わからないですね。その時湧いてきたものを曲にしているので。
Gt. Adel:
これは個人的な目標でもありますが、短いスパンで作品を出し続けていきたいなと思っています。媒体はCDでもLPでも配信でもなんでも良いんですけど、淡々とモノを作って発表するというのがアーティストの肝だと思うんで。後はライブ以外の、映像として残る視覚的なアイテム、近いうちに映像作品(MV)も作りたいです。
現在活動されている、またはする予定のシーンについて、意識されている課題はありますか?
Dr. kazuma:
良くも悪くもみんな仲がいいので、のし上がってやろうという野心やライバルを薙ぎ倒そうとする野心が足りないようにも思えます。ヒリヒリしたシーンが好きですね。単純に圧倒的なサウンドを追求して頭一つ抜き出たい。純粋に音楽で勝負したいと思います。
Gt. Adel:
自分たちが企画するときには、そういうヒリヒリするようなイベントを作っていきたいですね。
メンバー皆様の個人として音楽を続けるモチベーションと、このバンドで音楽をするモチベーションを教えてください。
Dr. kazuma:
個人としては、音楽を通してしか出会えない人の存在や得られない経験が大きいです。kokeshiについては、色んなバンドをサポートしても、kokeshiでしか出せない分厚い音があり、それが気持ちいいです。また友達とやっているので、気楽な心地よさもあります。
Gt. Adel:
僕はあまりお酒を飲まないので、音でトリップできるような音楽を作れればいいなと思っています。音源を聴いたりライブを観たりしてもらって、映画を観た後のような感動や疲労感を与えたいですね。kokeshiでは爆音や重低音の気持ち良さを追求しています。
Ba. Junichi:
いい演奏をしていいお酒を飲みたくてやっています。
Vo. Nana:
ライブ後の多幸感。ライブが最高。kokeshi は色んな声を出すことができて、自分のやりたいことができるバンドです。
メンバー皆様の個人としての音楽の夢と、このバンドで実現したい夢を教えてください。
Dr. kazuma:
個人としての夢はないです。バンドとしては海外でライブすること。アメリカが特に行きたいですね。
Gt. Adel:
映画音楽に憧れがあるので、そういったものへ携わったり楽曲提供なんかはいつかしてみたいですね。
バンドの方は、視野を広げ海外の人達にも認知されたら嬉しいです。様々な所でライブもやりたいし、たくさんの人達に我々の作品を手に取って欲しいです。
Ba. Junichi:
ベースマガジン掲載。なんなら働かしてほしい。バンドとしては、ウィンナーが好きなので、ドイツでライブをしたいです。
Vo. Nana:
(DIR EN GREYの)京さんと対バンすること。kokeshiとしては海外ツアーに参加し、色々な人たちと酒を飲み交わしつつ、その国の文化や人柄や感性に触れたいです。
オフの日などで、音楽以外にハマっていることを教えてください。またそれらは音楽活動に影響を与えたりしますか?
Dr. kazuma:
キックボクシングなどの格闘技。体力をつけるとライブで全くバテません。
Gt. Adel:
映画を観ること。バイオレンスなものが好きですが、制作の上での血となり骨となっているし生活の中での僕の原動力にもなっています。これは昔からずっと変わらないですね。
Ba. Junichi:
飲酒ですかね。禁酒をしているときはコーヒーでした。お酒を飲んでいると思いもよらぬコミュニティーに入れたり、出会いの場が広がります。
Vo. Nana:
料理を残り物でうまく作れると達成感があります。音楽活動には関係ないですね……(笑)
読者へのアピールやメッセージをお願いします。
Gt. Adel:
kokeshiは、この情報社会のなかで特有の閉塞感や孤独、虚無感を感じてる人が聴いてブッ飛ぶような音楽です。
ひたすら重くて暗いサウンドなんで、単純にイカつい音が好きで何も考えたくねえ、頭振り回していたい系の人にもおすすめだと思います。
観た人の心を抉るパフォーマンスを追求しているので、ホラー映画を観にいくみたいな、怖いものみたさ感覚で気軽にライブに遊びにきてほしいです。
【写真=サイラ】
Twitter:https://twitter.com/kokeshi_jpn
bandcamp:https://kokeshicore.bandcamp.com/releases
note:https://note.com/kokeshicore