パラダイム

地を這う叫びと解放的なメロディが描き出す退廃的な世界観が特徴的な、いまだ謎多きバンド「パラダイム」。進行中のプロジェクト「仮死状態」のことも踏まえて、彼らにインタビューしました。

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ELICITYインタビューお受けいただき、ありがとうございます。 早速ですが、自己紹介をお願いいたします。

壱(いち):
ボーカルの壱です。

大助(だいすけ):
ギターの大助(だいすけ)です。

パラダイム結成の経緯を教えてください。

壱(いち):
何年か前に名古屋から僕と大貴が何のあてもなく上京してすぐに大助と会いました。
バンドを組む為にお互い会ったのは確かなんですがすぐに打ち解けたのもあって次に会った時はスタジオに入るわけじゃなく一緒にご飯を食べに行きました。
しばらくバンドが動いてない時期もあったんですがサポートとしてドラムにAllenが入ってくれてから少しずつまた動き出すことができました。
何より一緒にいることが楽しいっていう単純な感覚のままバンドを組む事が出来て良かったなと思っています。

メンバー皆様それぞれの音楽的なバックグラウンドを教えてください。

壱(いち):
音楽に興味を持つきっかけになったのは友達のお兄ちゃんに教えてもらったDIR EN GREY、Raphaelだった事を鮮明に覚えています。
その頃の僕にとって耳に入る音、目に映る奇抜な世界がとにかく衝撃的でした。
そこから先は様々なヴィジュアル系バンドはもちろん日本のHIPHOPなんかも好きで聴き込んでいた時期もありましたし演歌を聴いていた時期もありました。
演歌は哀愁に溢れている曲が好きで恨み辛みを激しさではなく可憐に美しく歌い上げる事で表現されているところに胸を掴まれてしまいました。

大助(だいすけ):
パラダイムのようにハードな曲を聴く、演奏するきっかけになったのはSLIPKNOTです。
そこからDIR EN GREY、the GazettE、lynch. を知り今に至ります。

プロモーション活動「仮死状態」の真っ只中ですが、この活動でパラダイムが実現したい目標はなんでしょうか。

大助(だいすけ):
目標と言うよりも「仮死状態」が僕達を知ってもらうキッカケになれば良いなと思っています。
僕達は自分達で考えて自分達で進みたいって意思が強いので当然誰かが用意してくれた道筋もないし発信力もまだまだ足りないので。
やりたい事に対して足りないものが多い中で勢いで始めたプロモーション活動なのでまだまだ至らない点も沢山あるんですがこれから先の為に試行錯誤しながらやっていきたいと思っています。

パラダイムが目指すバンド像はどのようなものでしょうか。

大助(だいすけ):
そういうのは特にないです。
バンドぐらい常に自分達の手の中にって事ぐらいです。
好きで始めたバンドなので誰かに何か言われてやるよりもちゃんと自分達でバンドを大事にして自分達のやりたい事を突き詰めてやっていく。
それだけです。

「Thanatos」「Lost」の動画を拝見しました。いずれも壱さんの感情的なシャウトと歌が特徴的でしたがそれぞれの作品紹介をしていただいてもよろしいでしょうか。

壱(いち):
「Thanatos」は誰かに向けて伝えようとかそういったものが全くなくて歌詞のままです。
自分の中にある整理しきれない色々なものに対して自分自身で嘲笑うというか。
弱い自分を隠すための矛盾をバカにしながらもそうする事で自分を生かして保つことができているって事にも気づいてる。
天邪鬼な人間の独り言です。

大助(だいすけ):
「Lost」はそれまでの自分達とは違ったアプローチの仕方をした曲でした。
同期を使うようになったのもこの曲が出来てからで表現の幅を増やしてくれた曲でもあります。
人間の弱さに漬け込む誘惑、言葉の不透明さ、そういったものを曲にしました。
ある先輩にはこの曲は曲の中で対話してるように聴こえるから好きなんだって言われて意図的なものではなかったので人によって色々な捉え方があって面白いなって改めて思いました。

パラダイムの曲ができるまでのプロセスを教えてください。

大助(だいすけ):
まず僕か大貴が原曲を持ってきてアレンジしていきます。
そこに仮歌を入れて歌と楽器隊のバランスを確認して最終段階へって流れが基本的な流れです。
最終的なレコーディングをしている段階でも何か閃いたものがあればまずやってみて納得できるまで続けるって感じですね。

2019年10月にはUnlucky MorpheusやJupiterとの共演をされています。普段メタルコア勢が多く出る「DAIGOFEST」としては異例な出演者達ですが、こちらのイベントはパラダイムのキャリアにとってどのような影響を与えましたか?

壱(いち):
どちらも素晴らしいバンドで刺激的な1日でした。
台風の影響もあった中で沢山の人達に足を運んで頂いてとても感謝しています。
ライブが始まってから終わるまでで僕達を初めて観るお客さんの反応が良い方向に変わっていくのを体感する事が出来たので良かったです。
でも、それは僕達を好きでいてくれていつも足を運んでくれるファンの方が一緒に作り上げてくれたものでもあるので感謝と同時にライブってものの大切さを改めて確認できました。

現在活動されている、またはする予定のシーンについて、意識されている課題はありますか。

壱(いち):
ヴィジュアル系はメイクをしていれば音楽のジャンルはあまり問われないある種自由で柔軟な魅力のあるシーンだという実感はありますが、その自由さを少し履き違えてしまうと楽曲の価値が薄れてしまう繊細なシーンだとも思います。
ヴィジュアル系が日本の文化として浸透した今、メイクをしてステージに上がること自体が奇抜な事でも珍しい事でもないので自由なシーンだからこそ不自由に。
根本である楽曲に対してどのシーンよりも向かい合っていく必要があるのかなと思います。

メンバー皆様の個人として音楽を続けるモチベーションと、パラダイムとして音楽をするモチベーションを教えてください。

壱(いち):
僕の中で個人として音楽を続ける理由そしてパラダイムとして音楽を発信する理由はリンクしていて、自分自身が人生において音楽の魅力に触れて生きてきたという実感があるからですね。
過ごす時間の出来事や過程をより深く鮮明に色付けする力が音楽にはあると僕は感じていて時にそれは人の支えにもなるけれど、時に凶器として傷や痛いところにまで深く溶け込んでいく毒のような存在でもあると思っていて。
そんな音楽の不安定さや危うさ生々しさが一つの音楽の魅力であり、それこそが僕が音楽を続ける理由そしてパラダイムの壱として歌う理由である音楽の魅力に触れて生きてきた「実感」という答えの一つなんだと思います。

大助(だいすけ):
自分の作った曲やフレーズが認められる瞬間がたまらなく嬉しいからギター続けてます。
ギターを通して知り合ったプレイヤーと交流して刺激し合うのがとても楽しいです。
何をやるかよりも誰とやるかが僕の中では重要なのでパラダイムの曲が好きなのは勿論なんですが何よりもメンバーといる時間、演奏してる時間が好きです。

今後、バンドとしての目標やプランを教えてください。

大助(だいすけ):
バンドとしてもっと突き詰めて目の前のハードルを一つ一つ超えていく事ですかね。
そして沢山の人達に僕達を観て欲しいです。

読者へのメッセージをお願いします。

壱(いち):
大貴が口にする言葉としてパラダイムの音楽を日記という表現をします。
楽曲1つ1つにメンバーそれぞれの思いや意味が表現に散りばめられていているので、それを聴いた人もまたそれぞれの立場で重ね合わせて解釈し意味を持たせて欲しいです。
僕達の音楽を誰かの意味として残す為にこの先も生々しくそして大切に表現していきたいと思います。
これからのパラダイムも楽しみにしていてください。
そしてついてきてください。

Official WEB:https://www.prdmshifter.com/
Twitter:https://twitter.com/PARADIGM_Offi
YouTube:https://www.youtube.com/channel/UCb3CGEorSgY6X2d1L77eTZw