宮之悟

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ELICITYインタビューお受けいただき、ありがとうございます。初めに自己紹介をお願いします。

宮之悟です。システムエンジニアやりながら音楽活動しています。
現在はリモートワークなので一日中ひきこもってます・・・。

活動名の由来についてお伺いしてもよいでしょうか?

クリエイターは漢字3文字がかっこいい!と思ったからです。
あとは本名のもじりです。

音楽を始めたきっかけや本格的にボカロP活動を始めることになったタイミングなど、今までの音楽経歴について教えてください。

初めて楽器を買ったのは高校生の頃で、ポルノグラフィティの弾き語りがしたくて、
ネットで1万未満のアコギを買いました。でも調整の方法とか知らなかったので上手く押さえることができず、
指も痛いし鳴らないしである程度コードを覚えて断念しちゃいました。
その後大学で軽音楽サークルに入ってエレキギターに持ち替えて、
そこからは継続して音楽活動しているので、そこが始まりですかね。
サークルではコピーばかりしていたんですが、
このままコピーばかりしていてもどうせ本物以上に意義を持つことはないし生産的じゃない、
もっと自分がやるからこそ意味があることをやろうと思い、独学で作曲を始めました。
数年間は要領が掴めず書いたり消したりを繰り返していましたが、
「3:00」という曲が書けてから自分の中でカチッと噛み合った感覚があって、
ダメ元で公開したら反応も思っていたより良かったのでそれからボカロ曲を投稿するようになりました。

ボカロでも他のジャンルでも自身の音楽性に影響を与えたものについてお伺いできればと思います、音楽やそれ以外のコンテンツでも構いません。

作曲を始める直接的なきっかけになったのは麻枝 准(Key)です。
『Love Song』というコンセプトアルバムを聴いた時にものすごい衝撃を受けて、
こんな風に人の心を震わせるような作品を作りたいと強く憧れました。
曲の世界観、考え方や作り方まで多分に影響を受けています。
あとは00年代の邦ロック、特に後藤正文(ASIAN KUNG-FU GENERATION)や藤原基央(BUMP OF CHICKEN)に影響を受けています。

バンドやユニット、シンガーソングライターなど自分の音楽を発信していく手法としては様々なものがありますが、ボカロPとして活動していくことを選んだのはなぜでしょうか?

自分は音楽を発信していこうと思ったタイミングが遅い方で、
多くの人は学生時代とかだと思うんですが自分は卒業して社会人になってからでした。
なのでバンド等のリアルでの活動は一から始めるには厳しいかなと(主にスケジュール面で)。
そうなるとネット主体になるけど、ネットも様々なコンテンツで溢れかえっていて、
こんな無名の素人を前面に曲を発表したところでどうせ聴いてもらえない。
強烈な個性や武器があれば別ですが、そんなものあるとも思えない(笑)
でもボカロだったら、そのボカロ自体を好きな人が偶然発見して聴いてくれるかもしれない、
そしてもしかしたら追い続けてくれるかもしれない、と思ったんです。
そんな可能性に縋って今もボカロ曲を書いています。

楽曲制作で重視していることはなんですか?

ちゃんと良いメロになっているか。
メロが良くないと聴き手の心に残ってもらえないと思っているので。
曲調がポップであってもそれは意識しています。

普段どのように楽曲制作に取組んでいるのか、そのプロセスについてお聞きできればと思います。

バンドサウンドが多いので意外かもしれませんが、自分の場合は楽器を全く使わずに作曲します。
フリーソフトのdominoを使って、よくあるコード進行(王道進行とか小室進行とか)を置き、
その上にマウスでポチポチとメロを乗せていく方法で書いています。
Cubaseも持っているんですが、初めにdominoで作曲を覚えてしまって、
そっちの方が慣れていて作業効率が良いのでずっと使ってます。
あとわざわざこのご時世にハード音源のSC-8850を繋いで使用しています(これも麻枝准の影響だったりします)。
とりあえず8小節のイントロをいくつか書いてみて、
これは良いと思うものができたらそのままの続けて完成させることが多いですね。
おかげでイントロだけのファイルが山のようにあって、一応ストックとして残しています。
歌詞については毎回曲を書き終えてからその曲の雰囲気に合わせて作詞しています。

自分の得意なジャンル、世界感などがあれば楽曲と共に教えて頂ければと思います。

得意とはちょっと違いますが、今まで切なくて泣ける曲に救われてきたので、
自分もそんな世界観を生み出せるよう目指しています。
あとは「等身大」がひとつキーワードとしてあったりします。

ここからは「Last Scene/音街ウナ」について色々お聞きしていければと思います!

①タイトルに込めた想いや意味について教えて下さい。

Last Scene・・・まあ、そのままですね(笑)
歌詞を追ってもらえればその意味も分かると思います。
そういえばこの曲には一人称が無かったんですが女の子視点です!

②コンセプトや表現したかった世界観について教えて下さい。

どんなに距離が近くてお互い分かり合っているつもりでも、
結局のところ別の生き物同士で何処かしら感性が違っていたり考え方が許せない場面があったりする。
それでも君のことを想っているし、これからの無事を祈ってる。
そういうすれ違いとか心の揺らぎみたいなものを表現したいと思いました。

③楽曲の必聴ポイントを教えて下さい。

普通サビって8小節+8小節にするのがセオリーだと思うんですが、この曲は6小節+8小節になっています。
一瞬リズムがズレたようなぎこちなさをフックにしようと思って。
ちなみにこの技はGirls Dead Monsterの「Little Braver」で学びました。
あとはバックコーラスが気持ちいいですね。イントロのギターフレーズがアウトロでリフレインする所も気に入ってます。

④制作に関するエピソードがあればお願いします。

この曲、前に『ECHIKA』というインストアルバムを作ったんですが、
実はその中の「twinkle lights -星球-」という曲を再利用して書いた曲です。
その曲自体、元々ボーカル曲として出そうと思った曲を再利用したので、再利用の再利用になっています・・・(笑) 
ただ結果的に今回はほとんど書き直したので、面影があるのはBメロくらいですね。

⑤作品に対するリスナーなどからの反響はどうだったでしょうか?

サビの6小節+8小節の事もあったので、正直分かりにくい曲だろうなと自己満足的に公開したんです。
でも思ったよりリスナーの反応が良かったので驚きました。
こういう曲を書いてもいいんだ!と自信がつきました。

ご自身の使用されているボーカロイドになにかこだわりや思い入れはあるでしょうか?

今のところ初音ミクと音街ウナで公開していて、特に音街ウナは声を張り上げたときの声質と勢いが良いですね。
自分の曲だとサビでガツンと持っていきたくなるので、
そういったときにすごくマッチするしオケに負けず存在感を出してくれるので重宝してます。

今ボカロや歌ってみたなど、いわゆる生のLIVE主体というよりは音源をアップする活動をベースとした 「ネット発の音楽」や「ボカロP」という存在がだいぶ世の中に受け入れられて来たと感じていますが、このような世の中の反応についてボカロPとしてどのような印象をもたれましたか?

すごく良いと思います。ほんとに色々な所で取り上げられて理解度が高まっていますよね。
今後もっとやりやすくなって活動領域も広がっていくんじゃないかなと感じています。

ボカロの登場は自分の曲を世に出すというハードル下げたことのみならず、音源に伴ったMVやイラストを作成するクリエイターだったり、歌い手として他人の曲を歌うことで表現するなど、多くの人に可能性ときっかけを提供できるプラットフォームになっていると思います。今後も根強い人気のコンテンツとなると思いますが、ボカロが続いていくためにはどのような変化が必要になると思いますか? ボカロP視点でのご意見を聞かせて頂ければと嬉しいです。

コンテストとか記事とかで新人にも注目が集まる機会を増やしていくことですかね。
やはりコンテンツというのは今いる人気層だけで回すのではなく、
新しい層を絶えず増やしていくことが繁栄に繋がるのではないかと思っています。

「ボカロ」と「歌ってみた」はネット発の音楽文化として切り離せない関係にあるとおもいますが、本来「ボカロが歌うために作られた楽曲」を生身の人間がカバーするという流れは他のジャンルや文化にはなくとても特徴的な部分だと感じています。「ボカロ」と「歌ってみた」の今までの関係性やこれからの在り方など、何か考えや思うところがあればおしえてください。 

でも結局は歌モノなので誰かがカバーするというのは自然な流れだと思ってます。ただ距離はものすごく近いですよね。
他ジャンルにはないくらいお互いに存在感を補強し合っているような感じがします。

基本的にはボカロPとしてボーカロイドに歌ってもらう曲を作るわけですが、自分のボカロ曲をカバーしてほしい歌い手などはいるでしょうか?

特にこの人にというのはありませんが、色々な人に歌ってもらえたらなと思います。

昨今のボカロPはセルフカバーで歌われる方も多くいますが、ご自身や他の楽曲でもカバーをしてみたいという気持ちはあるでしょうか?

これはありますね。バンドが好きだし、やっぱり自分で書いた曲を自分で歌うっていうのはかっこいいし憧れます。
基本的には自分の音域(たまにちょっと高いけど)で作っているので、あとは歌が上手くなるだけかなぁ・・・。

近年ボカロPや歌い手の数もどんどん増えてきています。リアルでのLIVEや活動というのもアーティストとして一つの選択肢ですが、ネットカルチャーの中で、ボカロPとして表現することの楽しさについてお伺いできればと思います。

やはり比較的聴いてもらいやすいというところにあると思います。
どれだけ良い曲を書いたとしても聴いてもらえないというのはとても寂しいですから。
あとは人力だと歌えないメロディを選択できるところは表現の幅が広がって楽しいと感じますね。

普段の趣味や何か他にされている活動などがあれば教えてください。

なんだか最近忙殺されていたせいでこれといった趣味が無くなってきたんですが・・・
YouTube、特にゲーム配信を見ているのが好きです。
ただ配信は基本的に長いし見てる間は作曲できないので諸刃の剣だったりします・・・。
あと運動は苦手ですが、音楽を聴きながら散歩するのは大好きです。足が痛くなるまで機械のように歩いてます。
最近だとGotchの『Lives By The Sea』、ヨルシカの『だから僕は音楽を辞めた』、米津玄師の『STRAY SHEEP』、月ノ美兎の『月の兎はヴァーチュアルの夢をみる』をよく聴いていますね。

たくさんの楽曲の中から選ぶのは大変かと思いますが、初めての方に聞いてほしいイチオシのご自身の曲を教えてください。

「リアルスケール」か「イラストレーター」がキャッチーで疾走感もあって初めての方にも分かりやすいかなと思います。

今後の活動について実現したい目標があれば教えてください。

YouTube登録者1万人とボーカル曲を書くことが最近の目標です。

インタビューへのご回答ありがとうございました。最後に読者の方へのメッセージをお願いします!

現在進行形でばりばり曲書いてます。
このインタビューを通じて今後の活動にも目を向けてもらえたならとても励みになります。
あと曲の感想とか、このインタビューの感想でもいいですが、Twitterに書いてくれると嬉しいです!
エゴサ廃人なので(笑)




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ボカロPの皆様へ

今回の特集にあたり、ポリシーを持って活動されていて、
インタビューさせていただけるボカロP様を募集しています。
ご参加いただける方は、以下条件を踏まえた上で、のフォームよりご回答いただければ幸いです。
<インタビュー掲載料:2,000円>

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