シアン・キノ

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ELICITYインタビューお受けいただき、ありがとうございます。初めに自己紹介をお願いします。

はい。初めまして。シアン・キノと申します。
去年の8月からボカロPとして活動を始め、音楽からイラスト・アニメーションまで全て1人で手掛けております。
今回はインタビューということでよろしくお願いします。

活動名の由来についてお伺いしてもよいでしょうか?

たまたま読んでいた炎炎ノ消防隊という漫画に起因します。
主要登場人物の「名前→苗字」という順番のネーミングがなんかお洒落でいいなぁと思い、
苗字っぽいものが後ろに来るネーミングにしました。

音楽を始めたきっかけや本格的にボカロP活動を始めることになったタイミングなど、今までの音楽経歴について教えてください。

小さい頃にピアノを習っていたのが音楽を始めたきっかけです。
中学生くらいからギターをはじめ、バンドを組んだりして他のパートも触れていたらベースも弾いて、
ドラムも簡単なものなら叩けるようになっていました。
最終的にやっていたバンドをやめるのですが、その直後にコロナ禍で暇を持て余したので絵を描き始め、
その果てに自分でアニメMV作って出そうと思い立ちボカロPという活動にたどり着きました。

ボカロでも他のジャンルでも自身の音楽性に影響を与えたものについてお伺いできればと思います、音楽やそれ以外のコンテンツでも構いません。

ロック・ポップス系の中でもマスロック、ポストロック、ドリームポップあたりの影響は強くシアン・キノというボカロでの活動において核になっていると思います。
今のところ出した2曲についてはブルース、ネオソウル、ジャズ、ファンクあたりも影響を受けてスパイスとして度々顔を出しています。
あとアニメが好きでファンタジーの風景感や空想感は音楽にも影響を与えていると思いますし、
小説をよく読んでいたので言葉の紡ぎ方はその影響だと思っています。

バンドやユニット、シンガーソングライターなど自分の音楽を発信していく手法としては様々なものがありますが、ボカロPとして活動していくことを選んだのはなぜでしょうか?

僕にとってボカロ界隈ってすごく「懐が深い」イメージなんです。
バンドサウンドからEDMからジャズ、クラシック色んなルーツを持つ方が曲を書いていてそれを聴いてくださる方もいる。
それを成立させているボカロの文化は僕にとってすごく魅力的でしたし、
自分の音楽も明らかに取りつきやすい要素ばかりではないと思うので
発信する方法として適しているんじゃないかなと考えました。

楽曲制作で重視していることはなんですか?

・メロディーのキャッチーさ
・楽器単体でも雰囲気を作れるコード感
・さらっと聞き流させないリズムの引っ掛かり

は大切にしています。

普段どのように楽曲制作に取組んでいるのか、そのプロセスについてお聞きできればと思います。

歌詞だけは必ず最後に書きます。
それ以外は全然決まっていなくてどのパートから制作するかも決まっていません。
ギターリフもあればリズム隊からもありますし、全部の楽器がいきなり一緒に鳴ってひらめくようなこともあります。

ボカロというジャンルに限らず自分の活動において意識しているアーティストなどはいますか?

沢山のものに影響はされてきたのですが、
いま特別意識しているというアーティストはいません。

自分の得意なジャンル、世界感などがあれば楽曲と共に教えて頂ければと思います。

「魚眼の君と灯と底と / 初音ミク」はまさに僕の得意を詰め込んだ作品ですね。
サビまで変拍子のマスロック感。
ギターソロでブルース感。
ファンタジーな世界観も強く出せていると思います。

シアン・キノさんの得意が詰まっている楽曲「魚眼の君と灯と底と / 初音ミク」についてもう少し詳しく聞いていければと思います!

①タイトルに込めた想いや意味について教えて下さい。

タイトル自体に想いや意味があるというよりは、
ただ登場人物とその世界観を端的に表したくてこのようなタイトルにしました。

②コンセプトや表現したかった世界観について教えて下さい。

自分を蝕むほどの葛藤にどう答えを出してどう生命を燃やしていくか。
そのコンセプトを人間から人魚になってしまった少女の生き方に投影していきました。

③楽曲の必聴ポイントを教えて下さい。

サビすらも変拍子で突っ切っていくところ。
転調も織りなしながらうねる様に静と動を繰り返す曲構成。
この辺がやっぱり必聴ポイントだと思います。

④制作に関するエピソードがあればお願いします。

曲作りは3日絵・動画の制作は110日かかったんですよ。
本当に僕は音楽人と言い切れるのだろうかと投稿後にしみじみと思いました。笑

⑤作品に対するリスナーなどからの反響はどうだったでしょうか?

やっぱりリズムに対しての反響が大きい気がします。
サビでここまで変拍子で攻める方もなかなかいないと思うので。
絵の評価が上がってそうな気がするのは嬉しいですね。
個人的に印象に残っているのは僕の作る音楽ジャンルの性質なのか海外の方から反応がありましたね。

ご自身の使用されているボーカロイドになにかこだわりや思い入れはあるでしょうか?

シリアスにもキュートにもなれるうちのミクちゃんがいい子すぎて溺愛しています。

今ボカロや歌ってみたなど、いわゆる生のLIVE主体というよりは音源をアップする活動をベースとした 「ネット発の音楽」や「ボカロP」という存在がだいぶ世の中に受け入れられて来たと感じていますが、このような世の中の反応についてボカロPとしてどのような印象をもたれましたか?

素直に良いことだと思いますし観ていただける機会が増えると思うと嬉しく思います。

ボカロの登場は自分の曲を世に出すというハードル下げたことのみならず、音源に伴ったMVやイラストを作成するクリエイターだったり、歌い手として他人の曲を歌うことで表現するなど、多くの人に可能性ときっかけを提供できるプラットフォームになっていると思います。今後も根強い人気のコンテンツとなると思いますが、ボカロが続いていくためにはどのような変化が必要になると思いますか? ボカロP視点でのご意見を聞かせて頂ければと嬉しいです。

難しい質問ですね。
ただ新しい価値を作ってきたコンテンツですので、
今もどなたか新しい価値を創出している方がいらっしゃるのではないかと思います。

基本的にはボカロPとしてボーカロイドに歌ってもらう曲を作るわけですが、自分のボカロ曲をカバーしてほしい歌い手などはいるでしょうか?

逆に「歌えるものなら歌ってみろ!」って思っているタイプのボカロPなのでカバーしてくださる方がいるとその時点で嬉しいんですよね。
「えー!よく歌うなぁ!」って感心する瞬間が好きです。

昨今のボカロPはセルフカバーで歌われる方も多くいますが、ご自身や他の楽曲でもカバーをしてみたいという気持ちはあるでしょうか?

僕はハスキーめの太い男声なので、ちょっと自分の楽曲には合わないと思います…笑

近年ボカロPや歌い手の数もどんどん増えてきています。リアルでのLIVEや活動というのもアーティストとして一つの選択肢ですが、ネットカルチャーの中で、ボカロPとして表現することの楽しさについてお伺いできればと思います。

やっぱり自分のフィールドの外の方に見ていただいてコミュニケーションが取れることは楽しいです。
ライブハウスなどでライブしてた頃はやっぱり同じようなジャンルの方が集まっていたイメージでその外に中々発信できなかったので。
もちろん同じ界隈の方とのやり取りはそれはそれで楽しいのですが、
気軽にその外に発信できるのはボカロPとして表現する最も楽しいことの1つではないかと思います。

たくさんの楽曲の中から選ぶのは大変かと思いますが、初めての方に聞いてほしいイチオシのご自身の曲を教えてください。

初めての方に向けてということでしたら「箱庭の中の時計台 / 初音ミク」をチョイスしようと思います。
そもそも「シアン・キノ入門編」として描いた曲だったので。
シンプルなところはシンプルなので聴きやすさもありつつ、
リズムの引っ掛けがあったり、メロディとコードの調和が美しい曲だと思っています。

今後の活動について実現したい目標があれば教えてください。

今は単純にいかに沢山の方に聴いていただいて自分の存在を認知していただけるかだと思っているので、
そのためにできることをこなしていきたいです。
自分自身の名前を表に出したアーティストとしても、
誰かに楽曲を提供する作曲家としての一面も出していけるような活動にはしていきたいなと思っています。

インタビューへのご回答ありがとうございました。最後に読者の方へのメッセージをお願いします!

お付き合いいただきありがとうございました。
是非、僕の音楽・アニメーションを見ていただけたら嬉しいです。



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Twitter:https://twitter.com/cyan_kino

ボカロPの皆様へ

今回の特集にあたり、ポリシーを持って活動されていて、
インタビューさせていただけるボカロP様を募集しています。
ご参加いただける方は、以下条件を踏まえた上で、のフォームよりご回答いただければ幸いです。
<インタビュー掲載料:2,000円>

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