Torque

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ELICITYインタビューお受けいただき、ありがとうございます。初めに自己紹介をお願いします。

Torqueといいます。とるくと読みます。
“旅っぽい音楽”をつくっています。

活動名の由来についてお伺いしてもよいでしょうか?

ねじりモーメントの英語「Torque」からとっています。
回す力っていう概念がなんだかかっこよくて名前にしました。
英単語をそのまま名前にしたのでエゴサが大変です。

音楽を始めたきっかけや本格的にボカロP活動を始めることになったタイミングなど、今までの音楽経歴について教えてください。

昔から音楽を聴いたりライブに行ったりするのが好きでした。
米津玄師さんのLOSERがきっかけでDTMの存在を知り、
また社会人になって1人の時間や趣味に使えるお金が増えたことで作曲活動をはじめました。

ボカロでも他のジャンルでも自身の音楽性に影響を与えたものについてお伺いできればと思います、音楽やそれ以外のコンテンツでも構いません。

音楽を好きになるきっかけはBUMP OF CHICKENです。
米津玄師さんやバルーンさん、有機酸さん、DECO*27さんの影響でボカロ曲を好んで聴くようになりました。
IAをつかって作曲しているのはOrangestarさんとGuianoさんの影響が大きいです。
あとは本を読むのが好きでよく読みます。
小説だと米澤穂信さんと森見登美彦さんが好きです。

バンドやユニット、シンガーソングライターなど自分の音楽を発信していく手法としては様々なものがありますが、ボカロPとして活動していくことを選んだのはなぜでしょうか?

楽器が弾けず、バンドを組めるような友人もいなかったため、DTMによる作曲を選びました。
DTMをするうえでボカロを使うようになったのはそこまで特別な理由はなく、おもしろそうだったからです。
好きなボーカロイドに歌ってもらうこともできるしネット上で匿名で活動できるのが自由でいいなと思います。

楽曲制作で重視していることはなんですか?

こだわりすぎないことです。
まわりにすごい曲を作る人がたくさんいるので、闘争心を持ちつつも比べすぎずたくさん曲を作りたいです。

普段どのように楽曲制作に取組んでいるのか、そのプロセスについてお聞きできればと思います。

まずはいいなと思った曲の耳コピをしたり分析をしてどこにいいなと思ったのかを自分なりに考えます。
そのアイデアを使って曲をつくっています。
使いたいアイデアを基準にしつつコードやメロディをつけていき、
編曲して完成までつめていくような流れで作ることが多いです。

ボカロというジャンルに限らず自分の活動において意識しているアーティストなどはいますか?

インターネットを中心に活動してるアーティストの方は意識するようにしています。
YOASOBI、ずっと真夜中でいいのに、syudouさん、chinozoさんなどはチェックするようにしています。
あとはボカコレでルーキー30位以内ぐらいのボカロPは全員気にするように心がけています。

自分の得意なジャンル、世界感などがあれば楽曲と共に教えて頂ければと思います。

「旅っぽい音楽」をテーマに、ここではないどこかへ行きたい気持ちを曲で表現しています。
「サテライトジャーニー」や「デマルカシオン」のようにサンプリング素材を組み合わせたり音を打ち込む系統の曲が得意です。

たくさんの楽曲の中から選ぶのは大変かと思いますが、初めての方に聞いてほしいイチオシのご自身の曲を教えてください。

どれも大切な曲ですが、最新曲「エンセイ」がイチオシです。
現在進行形でずんずん成長しているので、最新曲がいちばん自信があるし聴いてもらいです。

AfterEndというアルバムを公開予定ということで、まずはおめでとうございます!こちらのアルバムについて可能な範囲でお話しお聞かせいただければと思います!

①タイトルに込めた想いや意味について教えて下さい。

「終わった後の世界」がテーマになっています。

②コンセプトや表現したかった世界観について教えて下さい。

アルバム「AfterEnd」は遠い未来の地球の自転が止まったあとの世界を舞台とした物語を想像してつくりました。
世界の終わりを迎えた後を生きる人の旅、というのがアルバム収録曲の全曲に共通するテーマになっています。

③アルバムの必聴ポイントやこれは聞いて欲しいという楽曲はなんでしょうか?

アルバムと同タイトルの「AfterEnd」は特に聴いて欲しいです。
アルバムのコンセプトを象徴するような曲になっていると思います。

④制作に関するエピソードがあればお願いします。

自分の体験をもとにコンセプトが生まれたという経緯があります。
自分は学生生活が終わったあと就職したんですが、
学生時代が楽しすぎて卒業式の日で人生ひと区切りついたような感覚がありました。
就職後の社会人生活はあまり面白くなく、そのときに「エンドロールが流れた後の世界」というイメージが湧き、AfterEndというアルバムをつくることになりました。

⑤その他本作についてアピールしたい部分などはあるでしょうか!

各種サブスク配信を予定しております。
好きなアプリやサイトでダウンロードして聴いて欲しいです。
CDも製作予定なので完成したら是非手に取っていただけたらと思います。
またジャケットイラストは自分のアイコンも描いてくださっている卵色 こめを先生(@karouzitesei) にお願いしました。
イラストも見ながら楽曲の世界観をより深く楽しんでもらえたら嬉しいです!

ご自身の使用されているボーカロイドになにかこだわりや思い入れはあるでしょうか?

OrangestarさんやGuianoさん、n-bnaさんにあこがれてIAを使い始めました。
一番人気を使いたくないという斜に構え精神によって初音ミクやflowerを避けたという理由も最初のほうは少なからずあったんですが、
使っていくうちにIAにどんどん愛着が湧いて、いまでは一番好きなボーカロイドになりました。
キャラクタービジュアルも可愛くて好きです。

今ボカロや歌ってみたなど、いわゆる生のLIVE主体というよりは音源をアップする活動をベースとした 「ネット発の音楽」や「ボカロP」という存在がだいぶ世の中に受け入れられて来たと感じていますが、このような世の中の反応についてボカロPとしてどのような印象をもたれましたか?

素直にチャンスだな、という気持ちがあります。
自分は新参者で、最近になって「ネット発の音楽」や「ボカロP」という存在を知って受け入れた側の人間なので、
盛り上がりにのって一緒にこの文化を楽しみたいと思っています。
コロナ禍によるオフラインの音楽が楽しみにくくなった現代の状況にぴったりなスタイルだと思いますし、
今後ネット音楽がどうなっていくか楽しみです。

ボカロの登場は自分の曲を世に出すというハードル下げたことのみならず、音源に伴ったMVやイラストを作成するクリエイターだったり、歌い手として他人の曲を歌うことで表現するなど、多くの人に可能性ときっかけを提供できるプラットフォームになっていると思います。今後も根強い人気のコンテンツとなると思いますが、ボカロが続いていくためにはどのような変化が必要になると思いますか? ボカロP視点でのご意見を聞かせて頂ければと嬉しいです。

変化せず、いまのままでもいいんじゃないかと思います。
なぜならボカロが続いていくためには多様性が必要だと思うからです。
多様性という観点でいえばボカロ音楽は合成音声がボーカルならどんなジャンルの音楽も
ボカロ曲ということができ、いまのような流行りが落ち着いたとしてもずっと続いていくと思っています。

「ボカロ」と「歌ってみた」はネット発の音楽文化として切り離せない関係にあるとおもいますが、本来「ボカロが歌うために作られた楽曲」を生身の人間がカバーするという流れは他のジャンルや文化にはなくとても特徴的な部分だと感じています。「ボカロ」と「歌ってみた」の今までの関係性やこれからの在り方など、何か考えや思うところがあればおしえてください。 

歌ってみただけではなくn次創作すべてに言えることだと思いますが、「法律」が大事になってくるのではと考えています。
今まではグレーゾーンだったこともだんだん大規模化・商業化するにつれて厳密に白黒つけざるを得ない状況が増えてくるのではないでしょうか。
クリエイターとユーザーどちらもが楽しく創作活動できるルールや環境整備がされればいいなと思います。

基本的にはボカロPとしてボーカロイドに歌ってもらう曲を作るわけですが、自分のボカロ曲をカバーしてほしい歌い手などはいるでしょうか?

たくさん歌って欲しいんですが誰か特定の人を想定していなかったのでこの曲は○○に歌って欲しいというようなものはありません。
Adoさんに歌ってもらえたら伸びるかなぁ、みたいな邪念はあります。

昨今のボカロPはセルフカバーで歌われる方も多くいますが、ご自身や他の楽曲でもカバーをしてみたいという気持ちはあるでしょうか?

あります。すでに自分でもセルフカバーや他の曲の歌ってみたを出したりもしています。
歌うことがすきなので今後もつづけたいです。

近年ボカロPや歌い手の数もどんどん増えてきています。リアルでのLIVEや活動というのもアーティストとして一つの選択肢ですが、ネットカルチャーの中で、ボカロPとして表現することの楽しさについてお伺いできればと思います。

「歌」の可能性が限りなく広がったことが、ボカロで表現することの楽しさのひとつだと思います。
性別の制限がなく、音域もかなり広くて滑舌も完璧で息継ぎもいらないようなボーカルを
自在に扱えるというのはボカロならではの面白さなんじゃないかと思います。
クリエイターの数が増えてきたことに関しては、
増えたことによって可能になった新たな音楽の楽しみかたについても面白いなと思っています。
それはクリエイターをターゲットとしたイベントが増えていることです。
ボカコレを筆頭に歌い手同士で競い合うイベントや今回受賞させていただいたボカウォッチなどがどんどん増えてきていると思います。
今後もボカコレやボカウォッチのようなイベントにも積極的に参加して楽しんでいきたいなと思っています。

普段の趣味や何か他にされている活動などがあれば教えてください。

最近はTRPG配信をみるのにハマっています。
いつかプレイヤーやGMをやってみたいです。

今後の活動について実現したい目標があれば教えてください。

数字でいえる目標としては、ひとつはボカコレでTOP30位以内に入ることです。
あとはNiconicoで殿堂入りと言われる10万再生を超えられるような曲をいつか作りたいと思っています。
数字であらわせない目標は、ビルの壁などについている巨大なテレビ画面みたいなヤツに自分の曲を流してもらうことです。
友達や親に自慢して悦に浸りたいです。
あとこれは目標なのかはわからないのですが、自分の曲を、
誰か1人にでもいいので10年以上聴き続けてもらえるような音楽を作れたらと思っています。

インタビューへのご回答ありがとうございました。最後に読者の方へのメッセージをお願いします!

読んでいただきありがとうございました!
これからもずんずん成長してガンガンいい曲書くので楽しみにしててください!




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ボカロPの皆様へ

今回の特集にあたり、ポリシーを持って活動されていて、
インタビューさせていただけるボカロP様を募集しています。
ご参加いただける方は、以下条件を踏まえた上で、のフォームよりご回答いただければ幸いです。
<インタビュー掲載料:2,000円>

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