ボカロP「RuLu」自身二つ目のアルバムとなる「負け犬」をリリース!編集部によるアルバムレビューと本人へのインタビュー

Pocket

<アルバムレビュー>

1stアルバム『RuLu』から1年半、さらにパワーアップしたRuLuが全18曲を携え、満を辞して2ndアルバム「負け犬」をリリースした。 前作同様ボカロ版とボーカリスト版の両方を各曲でリリースしており、同じ楽曲でも2度楽しめるアルバムになっており、 参加ボーカリストもSuchや缶缶、梓川など錚々たるメンツが楽曲に彩を添えている。
また構成楽曲も一つのジャンルや音楽性に特化するのではなく、RuLuらしくジャンルレスかつ口ずさみたくなるメロディーで、どれもキラーチューン級の仕上がりになっている。 曲としては9つある中からいくつか紹介をしていく。

まず1曲目でアルバムタイトルにもなっている「負け犬」について、 シャッフルなグルーブの中に哀愁漂うギターとボーカル缶缶の気だるげな声が寄り添う、どことなく都会の路地裏のような仄暗さを感じさせる。
ただサビで激情する曲調と歌声がグッと世界に引き込んできて見事にアルバムの1曲目としての役割を果たしている。 またRuLuとしては、こういった退廃的でアダルト楽曲は今までにはない新たな試みと言える。

そして3曲目の「バッドエンドーナツ」ハイテンポかつコロコロと曲の表情が変わるカラフルチューン。 まずイントロのポップ可愛いリズミカルなリフで心を掴まれる人も多いだろう。
前作や本アルバムを通してそうだが、こういう不規則だったり、少しカオスだったり、一工夫されているメインリフはとてもRuLuっぽさを感じさせる。 またこの曲の特徴は曲調がほどよくガラッと変わるところで、特に1Bメロのおしゃれなベースが気持ちいいパートや2Bメロのラウドな縦ノリバンドサウンド押しのパートが曲全体の聞き応えをグッと増している。
しかし必ずメインリフに戻ってくるところが曲としての統一感を醸し出しており、攻めつつもしっかりと聞きやすく収めているのがとてもRuLuらしい。

最後の曲である抒情系ロックソングな「指切迷子」は葛藤や切なさが前面に押し出されている。
透き通ったギターの音色や全体を通して凛とした雰囲気がありつつも、後半に行くにつれて激しさをます曲調、歌詞から読み取れる主人公の溢れ出す気持ちに胸を締め付けられるようなエモさがある。
詳しくは別記事でディスクレビューも掲載しているのでぜひチェックをして欲しい。(https://elicity.jp/archives/normal_single/rulu_yubikiri_maigo…


ここからはRuLuさんご自身へ本作を完成させての感想や今後の展望などを聞いていきたいと思います!


<RuLuインタビュー>

RuLuさんとしては2021年1月にリリースされた1stアルバム「RuLu」から1年半経ち、2作目のアルバムとなりましたが、本作を完成させての手応えや感想をお聞かせ頂ければと思います。

アルバム全体のテーマとしては1stアルバムの延長線上なのですが、
コードアプローチなら「終電でつれだして」、リズムなら「ツミツクリ」など 1stの頃には無かったアイデアを形にする力がついて、音楽的には一皮剥けたと思っています。

楽曲ごとにボーカロイド版とボーカリスト版があり、それぞれ歌のニュアンスやボーカルのキャラクターの違いを楽しめるのも本作の魅力かと思います。  あえてリスナーにアルバムの楽しみ方や注目ポイントを提示するとしたらどんなところになるでしょうか?

同じ曲といえばそれまでなんですが、2バージョンでそれぞれ別のアプローチをしていて、私の中では近いようで遠い存在だと思っております。
ボカロ版はボカロシーンからの見え方を意識して調声しているし、ボーカリスト版は 普段ボカロを聴かないようなリスナーを意識して、人選や補正などをしています。 なので2つを聴き比べると結構印象が違ったりして、そこもまた面白いところかなと思っております。
2パターン出してるとボーカロイド版を蔑ろにしてると思われがちなのですが、 音の切り方やビブラートの長さなど細かく調整してありますので、注目して欲しいです。(笑)
あと今作は生活で感じた事や実体験をベースにストレートに吐き出した歌詞が多いので、歌詞にも注目して貰いたいです。(推しは2曲目の大黒天) 初めてのフィジカル盤も制作したので歌詞カードも併せて楽しんで貰えたらと思います。

前作から2ndアルバムをリリースするまでに1年半、それまでのご自身の活動を振り返った時にどのような1年半だったでしょうか?

腱鞘炎でギターが弾けない時期があり、満足に制作が出来ず個人的には辛い時間もありましたが、
以前より自分の作品の二次創作(歌ってみたなど)を投稿して下さる方が増えて、その期間はとても励みになりました。
リスナーとして憧れていたエンジニアさんと作品でご一緒出来たりと活動の幅が広がった1年半だったように思います。

これまでに多くの曲を継続的にリリースされてきて、ボカロファンに限らず幅広いリスナーがRuLuさんの曲を耳にしてきたことと思います。  アルバム「負け犬」は今後の飛躍に繋がっていく一枚になると思いますが、改めてアーティスト「RuLu」としての未来像や目指すところ、思いなどがあれば是非お聞かせください。

未来像としては作曲家として成熟して、これが俺だ!と言えるような自分が作る事に意味がある音楽をやりたいです。
何度聴いても味のある、かっこいい音楽を作りたいですね。

最後に読者の皆さんへメッセージをお願いします!

曲を聴いて下さい!!




Youtube:
youtube.com/c/rulutokyo

ニコニコ動画:
https://www.nicovideo.jp/user/5532917

Twitter:
https://twitter.com/rulu_tokyo

ボカロPの皆様へ

今回の特集にあたり、ポリシーを持って活動されていて、
インタビューさせていただけるボカロP様を募集しています。
ご参加いただける方は、以下条件を踏まえた上で、のフォームよりご回答いただければ幸いです。
<インタビュー掲載料:2,000円>

インタビュー設問フォーム

※活動の実績が長い間ない場合や、
MVなどの再生数が2,000未満の場合、掲載をお断りさせていただく場合がございます。